おもてなし

日本の良さを世界に発信する一つに「おもて
なし」という言葉が最近よく使われるように
なった。「おもてなし」を強調しすぎると逆
に違和感を感じるという意見もあるが、さ
げない「目配り」、「心配り」等を含めて
「おもてなし」と考えるとしっくりくる。

実際に海外に出てみると本当に日本のサービ
ス力の高さに感心する。こんなサービス力が
高く居心地のいい国はなかなかない。そのよ
うな日本に生まれ、体育会の部活動やサ
ービ
業の仕事を経験してきたこともあってか、
私にも自然と「おもてなし」の
力が身につい
たのではないかと思っている。(不器用な

で見た目は綺麗ではなく、完璧ではないが最
低限には)

アコンカグアに登ったときは毎日、外国人の
仲間たちと寝食を共にした。実はこのときに
大活躍したのが「おもてなし」だった。アル
ゼンチンは世界5位
のワイン大国で、アコン
カグアのあるメンド
ーサ州はワインの主要生
産地。
ベースキャンプには大量のメンドーサ
ワイン
が送り込まれた。ベースキャンプの夜
食は毎日、皆でワインを嗜みながら楽し
む。
(私は、頑として下山するまで飲まなか
った

このとき、いつも自然と皆のワインを注いで
いたら、皆がとても喜んでくれた。
私は英語
があまり上手く喋れない
ので、「言葉」での
コミュニケーションはなかなか
上手くいかな
いのだが、「おもてなし」によってコ
ミュニ
ケーションが生まれ、仲間たちとの距離を縮
めることができ、次第に信頼関係を築くこと
ができたのである

ガイドや仲間と一緒に登るにあたっては、彼
らと上手くコミュニケーショ
ンをとり、信頼
関係を築くことが大切だ
。私のような英語が
上手く
喋れないような人間は「気配り」で勝
負し
ていかなければ、信頼関係を築けない。
どんな性格や価値観なのか全くわからない仲
間たちの雰囲気を肌で感じ、登る順番、道具
の管理
、食事の際の準備、寝る場所、写真撮
影など、チームがより機能するように、常に
周りの仲間の気持ちを考えて振る舞った。振
り返るとその
振る舞いこそが「おもてなし」
だったのではないのかと思う。(これは計算
してやっていた訳ではなく、振り返ってみて
気づいたことであるのだが)

「おもてなし」の本質は「一期一会」だとよ
く言われるが
、(今という時に巡り合った、
出会い
の尊さや縁を大切にしてコミュニケー
ション
をとること)アコンカグアに登った時
にその
意味が少し解ったような気がする。そ
してこれを期に、より日本文化の奥深さを学
んでいき、実践していけたらと思う。

緊張と緩和

松本人志さんいわく
「笑」は緊張と緩和から生まれるらしい

「高級車」のカーナビが目的地を「間違える」
(緊張)     →     (緩和)
なるほどー

第74期名人戦

将棋の名人戦が始まった。

羽生名人に佐藤天彦八段が挑む名人戦は
先に4勝した方が勝ちの7番勝負で行われる。

絶対王者 VS 今一番勢いがある若手。

この戦いは世代交代をかけた大一番。

将棋界では羽生さんが七冠王になってから約
20年間以上、羽生世代が七大タイトルを独占
してきた。
http://matome.naver.jp/odai/2139584133508584001?&page=1

名人戦に限ってはこの20年間で名人になっ
たのは羽生さん、森内さん、佐藤康光さん、
丸山さんの4人だけ。
4人とも同学年の羽生世代。
20年間、同学年の人達が名人位を確保する
というのは正直異常だと思う。(汗)

そのような状況で現れたのが佐藤天彦さん。
ここ3年間破竹の勢いで勝ち上がり、
今最も勢いのある若手棋士。
しかも僕と同学年!いや凄い!

20代が名人戦に登場するのは16年ぶり。

同学年の人が羽生さんと名人戦で戦うという
のは凄く刺激になるし、応援している。

しかし、、佐藤さんも応援しているが羽生さ
んの熱狂的なファンなのでどちらが勝っても
嬉しい。。。

うーん、51対49で羽生さんを少し応援。
羽生さんだけは特別、、、
本当にどちらが勝っても嬉しい。

佐藤さんが勝つ流れになるなら、逆転勝ちす
る流れのようなー、2勝3敗になったら面白
い?

もうすでに一番勝負が終わり。
羽生さんが先勝した。
しかも、佐藤さんが一番得意とする戦法を
初っ端はじき返すという。。
相手の得意戦法にあえて飛びこむのが
羽生さんの強さの秘訣、、、
しかもそれで勝つ、、、

絶対王者羽生さんを倒せるか、新世代の雄
佐藤さん。世代交代を掛けた大きな戦い。

さてどうなるか。

倫理観

小学校低学年の時に友達をいじめてしまい、
朝から放課後までクラス全員の前で席を立た
され先生に怒られたことがある。
学校が終わ
ってからも、
家で親から正座させられ、怒ら
れた。この時の経験
は私の倫理形成において
とても大きなことだ
った。友達を「傷つけた
痛み」、先生や両
親、クラスの友人を「裏切
ったこと」、クラ
ス全員の前で怒られた「恥
ずかしさ」。この
時感じた「羞恥心」は今で
も忘れらない。倫
理観に背くと恥をかくとい
うことを痛感し
た。

倫理観というのは人間が社会で共同生活をし
て生きていくために必要なもの。もし倫理観
がなく、皆が欲望だけに従って生きていくよ
うでは、社会
が成り立たなくなる。倫理観は
様々な歴史を経て今日の形となった。価値観
は多様であってよいが、倫理観は一元的であ
るべきだと思う。

全てが完璧な人間などいない。誰でも失敗す
る時もある。その失敗から学び成長してい
く。そのための大きな学びの場として学校が
あるの
ではないだろうか。私の場合は小学生
の時に皆の前で怒
られて恥をかいたことで、
その後の人生にお
いて、倫理観に背を向けて
しまいたいような気持ちが湧いたときでも、
その欲望にブレーキを
かけられるようになっ
た。もうあの時の「心の痛
みや、恥ずかし
さ」を味わいたくない。

人が倫理の背くような失敗をした時に、「ダ
メなものはダ
メ」と叱れる人がいる環境が大
切。そして、その失敗によってその人を見捨
てるのではなく、
「これからどうしていく
か」とその
後の行動を見守ることも大切なの
ではないだろ
うか。例えば、「嘘をついた
人」だから、今
後もずっと嘘をつく人だと決
め込むのではなく、「叱るときは叱り」「見
守る時は見守る」ということが大切だと思
う。確かに、犯罪
者の再犯率は統計的にみて
低くはないが、その人を「犯罪者」という色
眼鏡で見続けるのではなく、
どうやったら再
び罪を犯さずにいられるかという思考に
なる
べきではないだろうか。

大人になって「世の中の倫理観」に背くよう
な失敗をすると、それが弱みとなり社会生活
に影響を及ぼすこともある。だからこそ、そ
の前に学生時代に失敗しておく経験が必要な
のだと思う。そしてそのときに叱り、見守る
ために人間の教師がいるのではないだろう
か。
国語、数学、英語など知識だけを習得
するだけなら、コンピューターに任せたほう
いい時代になっているかもしれない。しか
し、倫理
観の関わる教育だけは、心をもった
人間にしかできないのではないだろうか

巨人

プロ野球が開幕した。
巨人ファンなので物申したい。(笑)

①打線に迫力がない

昨年の打線は過去最悪クラスの成績だった。。
巨人の打線と言えば、
長島、王、落合、松井、高橋、
小笠原、ラミレス

といった名コンビのスターがいるか、

2004年のように
1 二 仁志
2 左 清水
3 右 ローズ
4 中 高橋
5 一 ペタジーニ
6 三 小久保
7 捕 阿部
8 遊 二岡
9 ピッチャー
代打 清原、江藤
(しかしこの打線で優勝を逃す、、、、笑)

こういうみんな強打者すぎてわけのわかんない打線
じゃないと面白くない。(笑)

見ててワクワクしてこその巨人打線(主観)
中田翔を強奪するぐらいが巨人らしくて面白い(笑)

②打者の新外国人が活躍しない、、、

過去30年間で巨人が獲得して活躍した
外国人打者は
ホワイト、クロマティ、モスビー、シェーン・マック、ロペス
ぐらいでは?
ここ10年ではロペスぐらい?

今年メジャーからやってきたギャレットはさてどうなるか。
今年はギャレットが爆発するかにかかっているような、、、
メジャーで20本以上のホームランを3回記録している底力を発揮できれば。
日本人でメジャー20本以上打った選手は松井しかいないのだから。。。

とにかく今年は打線次第!
ギャレットの活躍と長野、坂本、阿部、村田の復調に期待!

プロ野球開幕

プロ野球が開幕した。

僕は巨人ファンなのでセリーグに注目。
今年のセリーグは飛び抜けたチームがなく、
昨年同様に混戦になるのではないだろうか。

個人的なセリーグの見所は3点。

①監督
1、新監督が3人
2、外野出身の監督が5人
3、全員が40代

全員40代で外野出身の監督が5人となるのは初めてではないだろうか。

②名捕手がいない

ここ15年間だと、古田、谷繁、矢野、城島、阿部(昨年から一塁に)
など多くの名捕手がいた。
やはり、上記の捕手がいるチームが優勝している回数は多い。
今の捕手はこれらの選手と比較すると見劣りする。

③未知数な選手が多い.

新戦力で未知数な選手が多い。

以上の3点が今年の見所だと思う。
今は「世代交代」の時期ということだろう。

勝手な順位予想
1巨人(阿部の復活と打線の復調次第)
2阪神(藤波で貯金を作り、高齢化対策を)
3ヤクルト(ロマンとバーネットの穴をどう?)
4DeNA(筒香中心に台風の目に?)
5広島(野村と大瀬でマエケンの穴を)
6中日(ビシエドが大爆発すれば!)

大混戦になるはず、、、
結果が楽しみ!
がんばれ巨人!

自然体

高校時代に野球をしていた時に、100%の意
識で
フルスイングするよりも、80%ぐらいで
振る意識でスイングしたほうが、
バッティン
グの確実性があがり、結果とし
てホームラン
を打てる確率があがった経験
がある。これは
「遠くへ飛ばしたい」とい
う意識が「力み」
を生み、身体の動作を狂
わせていたのだろ
う。

登山でもそれと本質が近い経験をした。キ
マンジャロを登った時は、高所登山の怖
さを
全く知らないまま「何も考えず」に登
ったの
で高山病でこてんぱんにされはした
が、体力
的にはあまり苦しいとは思わなか
った。「何
も考えずに登れた」ことで力ま
ずに登れたの
ではないだろうか。

高所登山の恐怖をしっかり叩き込まれて登っ
たエルブルースの時は、高山病を意識しすぎ
あまりに、
体力的にもの凄く苦しんだような
気がする。単に「山
のレベルの違い」や「体
調」の問題なのかも
しれないが、「山への怖
さ」や「登頂したい
想い」がより強くなった
ことで余計な「力み
」を生み、精神的にも肉
体的にも疲労をより
大きくしていたのではな
いかと考えた。

エルブルースで力みすぎたことを反省して臨
んだ、アコンカグアの時はとにかく「力を抜
く」ことを意識して登った。すると、逆に意
を緩めすぎたのか、パワーがでなくなった
で、「体を動かす」意識を少し強めると、
登り具合がよくな
った。アタックまでいけな
かったのでなんと
も言えないが、「意識を抜
きすぎた」という
感覚だった。

パフォーマンス力の要因を「心」「技」「体」
の3分子に分解した場合、それを掛け算した
もの(「心」×「技」×「体」=パフォーマン
ス)が成果になる。そして、本番で一番変動
が大きい可能性が高いのが「心」であり、そ
れを動かす最大の原因は「プレッシャー」に
あるのではないだろうか。

プレッシャーの原因は多くあると思うが、基
本的にはそのハードルを越えた時の「価値が
高く」なればなるほどプレッシャーは大きく
なり、自分のレベルに近づくほどプレッシャ
ーを感じやすくなる。

例えば、棒高跳びで自己記録が6mの選手が
5.5mの棒にチャレンジした場合はあまりプ
レッシャーは感じないだろう、逆に7mの棒
になったらプレッシャーすら感じないので
ないだろうか。やはり一番プレッシャーを

じるのは自分の力を出せばギリギリ飛べる
5.9、6、6.1mの棒だろう。それに加えて、
その舞台が練習、地方大会、日本選手権、オ
リンピックと変わっていけば。同じ6mを飛
ぶにしてもまた違ったプレッシャーがかか
る。

各分野の長期間にわたり結果を出し続けてい
る「超一流の人」というのはこのプレッシャ
ーの中で自分
の力を出し切れる人ではないだ
ろうか。(運
の要素もあると思うが)実際、
そのような人をみると、生でみても映像でみ
ても「力みがなく力が抜けているけど、それ
でいて隙がない」ようにみえる。この立ち姿
は「自然体」という言葉になるのかもしれな
い。

どの世界も上にいけばいくほど、ほんの僅か
な差で勝負が決まることが多い。そ
のよう
な、常人なら足が震え体すら動かなく
なるよ
うな緊迫したプレッシャーの中で、
「自然
体」となり自分の力を出し切れること
が重要
であり、最も難しい。

「自然体」になれる方法というのは人それぞ
れ違うのかもしれない。私の場合は本番で
「より上手にやろう」と考えるとダメなタイ
プなので、「何も考えない」ことを心がけよ
うと思う。まだそれが正解なのかわからない
が、
いかに「自然体」になれるかを追求して
いき
たいと思う。山という「大自然」に飛び
込む
ために。

AI

2016年の3月9日に歴史的瞬間が起きた。

「囲碁」で、AI(人工知能)が人類最高峰棋
士に勝ったのである。

IBMの「ディープ・ブルー」というコンピュ
ータがチェスの世界チャンピオンを破ってか
ら約20年後に、Googleが700億円を投資し
た「Deep mind」のAIが囲碁の最高峰棋士
を倒したのである。

AI vs イ・セドル(人類最高峰棋士)の戦
いは5番勝負で行われ、結果はAIの4勝1敗
で幕を閉じた。いきなりAIが3連勝して勝負
を決めて衝撃を与えたのから始まり、4戦目
にAIがバグを起こしてイ・セドルが大逆転勝
ちするなど、驚きの連続だった。

囲碁のパターンは10の360乗あると言われ。
その膨大な数は宇宙の分子よりも多いので、
コンピューターが人間に勝つのはまだ先の話
と言われていたのだが、予想を上回る進化で
人間を超えたのである。

個人的には人間を超えたAIが凄いというより
も、700億円のAI相手に互角に戦えるイ・セ
ドルさんのほうが、本当に人間なのかと思っ
てしまう。(笑)

人類側もまだまだ黙っておらず、現在世界ラ
ンク1位で史上最年少世界三冠を達成した中
国の新星、コ・ジェや史上初の国内同時六冠
制覇を達成し、日本史上最強の呼び名も高い
井山裕太もDeep mindに挑戦状を出してい
るので、今後の戦いが楽しみである。

しかし、この先更にAIが進化したらどうなる
のだろうか?

今と変わるものもあれば変わらない「モノ
」、「価値観」もあるとおもうが。

Google、Facebook、Applle、Amazonを
筆頭に次々と新しいテクノロジーが社会を変
えていってしまうのだろうか?(もうすでに
次次と新しいテクノロジーが生まれている)

それに連動して、どう教育方法も変わってい
くのだろうか?

AIに関する「知識」やそれを使う「知恵」を
インプットする教育も必要になると思うが、
「どうなるかわからない未来を思考する力」
も大切になるのではないだろうか。(それす
らAIが考える時代になるかもしれないが、、
汗)

例えば、今後テクノロジーの進化でどんどん
人間の仕事が機械に奪われるという話が増え
ているが、社会派ブロガーのちきりんさん
は、「日本はこれから労働人口が減るのでど
んどん仕事を機械に任せていこう」との意見
を述べている。(一参考として勉強になりま
す。)
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20160115

ちきりんさんのように、今後どうなるかわか
らないことを自分で仮説を立て考える能力。
(答えも式もない問題を考える力)を身につ
ける教育も大切なのではないだろうか。

個人的には今後、コンピュータの知能的側面
の進化は早いが、身体的側面の進化はまだ
間がかかるのではないかと思う。現にまだス
ポーツ
の世界で人間を超えるロボットの話題
はあまり聞かない。単に
投資額の問題なのか
もしれないが、何か無意識とい
うか感覚的な
部分(例えば、急に倒れた時にとっさに手で
受け身をとるなどの不確実性への対応など)
というのは人間の強みになるのでは
ないだろ
うか。(全くの素人意見ですが)

10年前にはこんなにスマートフォンが普及し
ている世の中になるとわからなかったのと同
じように、またジョブズみたいな人が現れて
世界を変えてしまうのだろうか?

そして、映画の「ターミネーターのような世
界」を経て、アインシュタインの予言通りに
「こんぼうで戦う世界」になるのだろうか。
(笑)AIで今後世の中がどう変わっていくの
か楽しみである。

登山ガイド

私が今まで山を登ることができたのは登山ガ
イドのおかげである。私の経験がまだ浅い上
に、登るのは常に初めての山。そのような未
知の世界は、登山ガイドのサポートなしで
は、安全に登り、降りることなどできない。
だから、いつも登山が終わった時には登山ガ
イドへの「感謝の気持ち」でいっぱいにな
る。そして、「一緒に山を冒険した」という
特別なご縁を感じ、一生忘れない特別な人と
なる。

登山ガイドは正にプロフェッショナルであ
り、私は彼らを本当に尊敬している。なぜな
ら、登山ガイドの最大の仕事はチームを「何
が何でも頂上へ登頂させること」ではなく
「安全に下山させること」だからだ。

やはり登山者の気持ちで強いのは「山の頂
上」に辿りつくことだ。人それぞれ山の登り
方はあるが、誰もが「山の頂上に辿り着くこ
と」を目標にし、楽しみにしている。そんな
世界中の登山者が集まる山で登山ガイドが一
身に背負う期待の重圧というのは、今の私に
は想像しただけで正直寒気がする。

私がアコンカグアに登った時のパーティーの
メンバーは全員アルゼンチン以外の国から訪
れた外国人だった。簡単に再挑戦ができる山
ではなく、各人とも一世一代の挑戦として
「頂上を目指し」に集まっている。そんな期
待を背負ってガイドは登らなければならな
い。チームメンバーの性格や能力を把握し、
人間関係、健康管理、道具管理のトラブルな
ど様々な問題にも対処しながら、チームを
「安全に頂上まで導く」ために常に全体に目
を配りながら監督兼プレイヤーの司令塔とし
てチームを動かす。それが登山ガイドだ。自
分が登るだけで精一杯な私にとっては、その
姿は敬服させられる。

そして、持つ力を全て発揮したからと言って
必ず登ることができないのが登山である。人
間の力ではどうしようもできない自然を相手
にしなければならないからだ。最善の手を打
ち尽くしても結果を出せない時もある。時に
は安全面での失敗もある。頂上に登れる時も
あれば登れない時もあり、自然の力で左右さ
れる場合もある。それが登山の醍醐味でもあ
り、それを見極めるのが「全員の安全」を預
かる登山ガイドの最も大切なミッションでも
ある。

しかし、どんなに自分自身の安全のためだと
わかっていても、それぞれ相当な覚悟で挑戦
した登山者は、結果がでなければ悔しい思い
をする。そのとき、登山ガイドは、チーム全
員分の悔しさを引き受けなければならない。
その悔しさをもってしても、「この人と一緒
に登ってダメだったら仕方ない」と思わせら
れるかどうかが彼らの真の仕事の成果なのか
もしれない。

登山ガイドは熱い「山の男」であり、彼ら自
身も実は誰よりも頂上を目指したいという想
いは強い。それは登山ガイドとしてのプライ
ドでもあり、山への情熱でもあり、登頂を断
念することをもっとも悔しがっているのは、
実はメンバーの誰でもなく、登山ガイド自身
なのだと思う。しかしそれでも、メンバーの
期待と熱意、メンバーの安全、この2つを天
秤にかけることなく、厳然として安全のため
の判断をして貫く。この姿が私が最も「敵わ
ない」と思う姿なのである。

登山ガイドの背中から学ばされることは多
い。今後の新しい出会いを楽しみ、より吸
収して、自分の糧にしていきたいと思う。